髪の毛を生やす「現場監督」のお話し

毛髪診断士のコラム

血行を良くしても髪が増えない理由

 

「髪は、放っておいても勝手に生えてくるもの」 私たちは若い頃、当たり前のようにそう思っていました。

 

しかし、鏡を見るたびに少しずつ、かつてのボリュームとの違いを感じる。

 

地肌が以前よりも透けて見えるようになった気がする。

 

そんな違和感を覚え始めたとき、多くの方が最初に行うのが「地肌のマッサージ」や「血行促進」ではないでしょうか。

 

血流さえ良くなれば、栄養が毛根に届き、再び髪は元通りに生えてくる。

 

長らく育毛の世界では、こうした「血行改善こそが正解」という考え方が常識とされてきました。

 

しかし、最新の分子生物学は、その常識を根底から覆す「ある物質」の存在を突き止めています。

 

それが、髪の再生を司る中心人物「FGF7」です。

 

これは単なる栄養成分ではなく、眠っている細胞を叩き起こすための「絶対的な号令」を出す存在です。

 

なぜ、熱心にマッサージをしても思うような結果が出ないのか。

 

その謎を解く鍵は、細胞同士が交わす言葉にありました。

 

 

髪の設計図を動かす「号令」の発見

 

FGF7という名前を初めて耳にする方も多いかもしれません。

 

この物質の発見は、実は髪の研究から始まったのではありませんでした。

 

1980年代、科学者たちは「傷ついた皮膚がなぜ元通りに治るのか」という、生命の再生メカニズムを研究していました。

 

1989年、アメリカの国立癌研究所の科学者たちが、ある特定のタンパク質を分離することに成功します。

 

当初は傷口の皮膚を再生させるための因子として期待されていました。

 

しかし研究を進めるうちに、科学者たちは驚くべき現象に気づきます。

 

この物質を受け取るための「鍵穴」が、毛根の最も深い場所にある毛母細胞に、信じられないほど高密度に存在していたのです。

 

それはまるで、その物質と毛根が、最初から髪を創るために設計されていたかのような、完璧な合致でした。

 

これが、現代の毛髪科学において「再生の鍵」と呼ばれるFGF7の正体です。

 

 

栄養(材料)があっても「現場監督」がいなければ髪は建たない

 

FGF7が地肌の中でどのような役割を果たしているのか。

 

それを理解するために、毛根という「工場」を想像してみてください。

 

工場の底には「指令塔」があり、その周囲には髪の毛の材料を作る「作業員」たちがいます。

 

指令塔がどれほど「髪を作れ!」と叫んでも、作業員にその声が届かなければ、工場は一分たりとも稼働しません。

 

このとき、指令塔から作業員へ向けて発せられる、具体的で力強いメッセージ。 その正体こそが、FGF7です。

 

いわば、工事現場における「現場監督」のような存在です。

 

どんなに立派な建材(栄養)が現場に揃っていても、監督の号令がなければ、建物は一向に建ちません。

 

FGF7という監督が現場に現れ、作業員に指示を出す。

 

その瞬間、細胞内でエネルギー代謝が劇的に高まり、爆発的なスピードで細胞分裂が開始されます。

 

私たちが「髪が伸びた」と実感する現象の裏側では、常にこのFGF7という監督が指揮棒を振るっているのです。

 

 

なぜ、あなたの頭皮から「監督」が消えてしまうのか?

 

若々しく豊かな髪を持つ人の地肌では、この監督の号令が絶えず響き渡っています。

 

しかし、その声が次第に小さくなっていくとき、髪のボリュームダウンという現象が始まります。

 

大きな原因の一つは、加齢や紫外線、そして日々のストレスによって発生する「活性酸素」です。

 

この活性酸素は、地肌の中でFGF7を作り出す能力そのものを削り取っていきます。

 

号令を出す監督が疲れ果て、声が枯れてしまい、現場に指示が届かなくなる。

 

これが、私たちが経験するエイジングによる変化の、生理学的な一側面です。

 

また、男性型脱毛症(AGA)などのメカニズムにおいても、FGF7は悲劇の主役となります。

 

特定のホルモンの影響によって、指令塔に対して「監督を出すのをやめろ」という誤った命令が下されてしまうのです。

 

監督がいなくなった工場では作業員が解散し、毛包はどんどん小さくなっていく。 これが、髪が細くなり、やがて生えてこなくなるプロセスの真実です。

 

 

「太く、長く」を叶える科学的な裏付け

 

FGF7が現在の再生美容において、なぜ重要視されているのか。 それには明確な科学的根拠があります。

 

まず一つ目は、髪の「成長期」そのものを物理的に引き延ばす力です。

 

多くの育毛成分が血流を促すことに留まる中、FGF7は細胞に直接働きかけ髪が地肌に留まる期間を長くします。

 

本来なら抜けてしまうはずだった髪を、より太くより長く育て上げる。

 

この時間軸の変化が、見た目のボリュームに直結します。

 

二つ目は、小型化してしまった毛根を再び大きく作り替える力です。

 

細くなってしまった髪に対して、再び大きな工場(毛包)を作るよう促します。

 

これにより、髪の毛一本一本の「直径」が太くなり、全体的な密度が増したような実感を伴うのです。

 

 

最高の成分を、最高の鮮度で「現場」へ届ける

 

私たちは、単に「成分を塗ればいい」とは考えていません。

 

人間の体が本来持っている再生のプロセスに、どれだけ科学的に寄り添えるかを大切にしています。

 

FGF7は、元々私たちの体の中に存在するタンパク質です。

 

化学合成された強い薬剤とは違い、体が本来知っている言葉で細胞を動かします。

 

しかし、この優れた成分には一つ大きな弱点がありました。

 

それは非常にデリケートで、地肌の表面に塗るだけでは、深部にある細胞まで到達できないという点です。

 

どんなに優秀な監督であっても、現場に到着できなければ意味がありません。

 

これまでのヘアケアが思うような結果に結びつかなかった理由は、ここにあります。

 

そこで当サロンでは、このデリケートな成分を音速のジェット気流によるニードルレスインジェクターを用いて導入します。

 

成分の鮮度を保ったまま、手塗りでは決して届かない深部へ、ダイレクトに送り届ける。

 

「最高の成分」を「最高の場所」へデリバリーする。

 

この条件が揃って初めて、FGF7という伝説の監督は、あなたの地肌で再び指揮棒を振るうことができるのです。

 

 

再生の号令をかけるには?

 

FGF7の発見は、私たちに「毛根は眠っているだけで、起こすことができる」という確かな希望を与えてくれました。

 

もしあなたが、「昔よりも髪の毛のボリュームが減ったなぁ」と感じているなら、毛根が死んでしまったのではなく監督が不在になり現場が停止しているだけかもしれません。

 

科学が証明した「再生の設計図」は、最新の研究成果で私たちの手の中にあります。

 

もう一度あなたの頭皮の奥底に、力強い再生の号令を響かせてみませんか。

 

当サロンでは、いきなり施術に入ることはありません。

 

まずは毛髪診断士が、お客様がこれまで抱えてこられたお悩みや、日々の細かな変化を丁寧にお伺いすることから始めさせていただきます。

 

お一人おひとりの地肌の状態を詳しく解析し、今何が必要なのかを見極める。

 

そのうえで、最適なメニューとセラムを選択していきます。

 

今の状態を正しく知り、納得できる答えを共に見つけること。

 

その対話の時間こそが、未来の髪を作る第一歩になると私たちは信じています。

 

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